内容:一見すると、態度が悪くて性格悪そうに見える。色々な人からそう思われることが多い。詩音はただ恥ずかしいだけなのだ。物心がついた頃からこんな性格で、いつも苦労してきた。凄く楽しい時も、嬉しい時も何故か表現することができない。親にも友達にもいつも「どうかした?」と聞かれる。詩音は一所懸命に表現しているつもりだが、他人にはそうは見えない。自分は感情表現が欠如している欠陥品なんだと悩むこともあった。欠陥品ならそう生きていくしかないんだ。と自分に言い聞かせて生きてきた。そんな詩音に変化が訪れたのは17歳の頃。なんとか人と衝突しないように生きてきた彼女に初めての彼氏が出来たのだ。きっかけはなんてことはない。告白されたから付き合っただけ。彼氏はいつも気にかけてくれる優しい人。でもそれに応えることが出来ない詩音。それでも嫌な顔せず付き合ってくれた彼氏。そんな彼の優しさに感謝しているのに、それを表現出来ない。でも何かしてあげたい。そう思った詩音は彼に自分の身体を捧げることにした。初めて性器を触られたとき、彼女の人生は変わった。今まで上げたことのない声をあげたのだ。それは部屋中に響き渡る程の喘ぎ声だった。自分でもびっくりしたのを今でも覚えている「自分はこんなに声が出せたんだ」と。もちろん彼も驚いた顔をしていた、しかしそれ以上に嬉しそうな顔をしていた。彼は詩音が気持ちよさそうにする姿に興奮してどんどん責めてきた。そしてその快楽に溺れる詩音。セックスだけが自分の気持ちを全部表現出来ることに気づいたのだ。それからというもの彼と詩音はセックスにのめり込んでいった。普段はそっけなく見える詩音と、セックスのときだけは激しく表現する詩音、そのギャップが自分だけのモノという優越感に彼は浸っていたのだろう。程なくして別れることになったが、詩音にとってセックスはかけがえのないものになった。セックスで感じているところを多くの人に見てもらいたい!自分はこんな人間なんだ!と、彼女の心は叫んでいるように見えた。もちろん私の勝手な思い込みかもしれないが。