内容:その日僕は渋谷を歩きすぎて原宿まで迷いこんでいた。彼女は大きな荷物を抱えて、歩き疲れて休んでいるようだった。化粧の濃さと服の系統からして、少しキツい感じの子かな?と思ったが、ずっと見ているとおっとりとした雰囲気が彼女の周りに流れていた。この子はいけるかもしれない。そしておっぱいが大きい。そう思った僕は彼女に声を掛けた。――ゆまは普段、地方の実家で暮らしている。適当に近所でアルバイトをしつつ、とあるバンドの追っかけをしている。とあるバンドというのはヴィジュアル系のバンドだ。追っかけといってもバンドのメンバーと本気でお付き合いしたいレベルの熱狂的なものではない。CD、グッズは一通り揃えて、ライブがあれば大体行く程度である。今回の撮影のスカウトを受けたのもライブに行く為に都内へ出てきた時であった。ライブは大抵夜遅くまであり、最後まで見ると地元の終バスに間に合わなくなってしまう。その為に最初から宿を取っており、ライブを見た次の日はゆっくりと都内でお買い物なんかをして帰るのだ。まさかそんな日にこんな撮影をすることになるなんて思っていなかったが、意外といい思い出になったからいいか、とゆまは思ったのであった。