内容:大学時代に入学したときに親元を離れて大学から程なく離れたアパート形式の下宿に入りました。そのころにはもう珍しくなった共同トイレ、共同炊事場のアパートだったのですが希望すれば大家さんの家で食事を作ってもらうことも可能で、私は朝と晩の食事を作ってもらうことを希望しました。大家の息子さんが管理人さんでして、管理人さんはバツイチの若い男性で徹くんと言う小学校低学年の子供さんが居ました。 かなり若い管理人さんなのでかなりの訳ありだなとは思いましたがなんか聞くことも出来ずにそのままにしていました。そんなある日のこと、日曜日は本来食事が無いのですが、日曜日の晩に「りえちゃん、カレー作ったから食べにこない?」とお誘いがあり私が皿を持って勝手口に行くと「今日は特別にうちのダイニングで食べて行きなさい」と言ってくれたので、食べながらなんで若いのにアパートの管理なんてやっているのかとかいろいろ聞いたら、大学時代にデキちゃった結婚をした奥さんとうまく行かなくなり徹くんを連れて実家に帰ってきたとのこと。3年前、正式に離婚したのですがどこかに就職をする気も起きなくて管理人を…のこと。「再婚はしないんですか?」「う~ん、しばらくはいいや」とか話しながら食事を終えて部屋に戻ろうとしたときに「あとで、本借りに部屋に 行っていい?」と言われたので「いいですよ」とそのまま私は戻りました。多分二人とも、お互いに好意はもっていましたが、その気持ちは前に出さず、たまに二人で好きな小説本、著者に関してよくおしゃべりしてました。親には大学の4年間だけ好きにしていい、卒業したら実家に帰えることを条件にされていましたので、卒業も間近になってくると「○○さん(大家さんの名前)、徹くんと離れたく無いなぁ」と呟くようになりましたが、「他にもっといい男いるよ」と苦笑いされてしまいます。・・・・これで私の学生時代は終わりました。でも、今も東京に戻ってきてからも年賀状の交換は続けているそうです。