内容:彼女はとっても暇をしていた。テレビを見てもつまらない。彼氏は現在募集中。友達に電話をしてみても誰にも繋がらない。回線を引いてないので、インターネットも繋がらない。晴れた日曜日。出かけるにはとっても良い陽気だ。なのにまったく予定がない。仕方ないからとりあえず近くのショッピングモールに出かける事にした。キッズ&ファミリー、レディース、メンズ、生活雑貨、レストラン、ガーデニング&ペッ トゾーンと様々なジャンルのお店が勢ぞろいの家から電車で30分のショッピングモール。隣には、区役所、図書館、ホールなどの市の複合施設があり、最近シンデレラ城のようなおしゃれな結婚式場、その隣には、温泉施設、そしてホームセンターもオープンした。隣の公園では、親子でボール遊びをしたりダンスの練習をしている女の子達~訪れる人々の憩いの場となっている。数年前までは閑古鳥が鳴いていたこの街もすっかり活気を取り戻していた。楽しそうに公園で遊んだり、ショッピングをしている人を見ていると、悶々としていた彼女の気分も晴れやかになった。ブラブラと歩いていると駄菓子屋が目に付いた。子供たちが目を輝かせながら、駄菓子を選んでいる。彼女も懐かしくなって中に入ってみた。ボンタンアメ、都こんぶ、捻れたチューブに入ったゼリー。子供の頃、近所の商店に友達と買いに行ったものだ。でもここ最近はまったく連絡も取らなくなった。それを少し寂しく思い、「みんなどうしているんだろう?」そう思った。自分はと言えばもうすぐ短大を卒業する。その後の事は何も決まっていない。何をやりたいのかさえよく分からない。そんな事を考えている時、見知らぬ男に声を掛けられた。どうやらモデルを探しているそうだ。これはもしかしたらチャンスかも?彼女はそう思い、男に付いて行く事にした…