内容:お金の為に出演すると言う彼女。それには深い事情があると言う。彼女は2年前、家出同然で家を飛び出した。理由はなんだったろうか。はっきりした理由は思い出せない。あえて言うなら、抑圧されるのが嫌だったからか。なんにせよ彼女は2年前、連絡先も告げずに家を出た。家を出てから、知り合いの家を転々として、パチンコ屋でアルバイトをして生計を立てた。そんなある日のアルバイト中、二十代後半ぐらいの男が声をかけてきた。「きみ、新しく入ったの?今度お茶でもどう?」彼女は行けないことと思いながらも連絡先を交換し、後日会う約束をした。そして、住む家も無かった彼女は、そのまま彼の家に転がり込む事になった。その男の家はすごく古くてちいさい一軒家で、小さな庭に雑草がぼうぼうと生えていて、そんな惨めな感じが今の自分にぴったりだと自虐的な気分になった。それでも彼との毎日は、平凡だったが優しくて、自分の幸せを見つけたようなでなんだか嬉しかった。それは彼と暮らし始めてから、二回目の秋に入りたての頃だっただろうか。突然彼の母が訪ねてきたのだった。彼は彼女の事を話していなかった為、とても驚いていた。そして、彼女はふと「自分の母は今どうしているのだろう」と、そう思った。家を出てからもうすぐ2年になる。「元気にしているだろうか?」彼女は家を出てから、初めて連絡をとってみることにした。彼の母が帰った後、怒られるのを覚悟で早速実家に電話をしてみる。「もしもし」久しぶりに聞く母の声だ。 自分が誰かを告げる。すると母が突然泣き出し「助けて!」と叫んだ。事情を聞いてみると、半年前、父が心臓の病気で入院したそうだ。さらに弟がバイク事故を起こし、被害者の治療費や、賠償金が必要なのだと言う。専業主婦の母にはどうにも出来ない自体に陥っていた。要はお金が必要なのだ。「いくら必要なの?」彼女は聞いた。「50万円、いやできたら100万円」と言う母。彼女はさらに聞いてみた。「一回100万円送れば、それでいいの?」すると、母は既に親戚に500万円の借金をしている。お父さんの治療費に加え、交通事故の被害者に渡す治療費もあるから、最低でも月に50万円は必要だと言う。最初、月に50万円なんて絶対無理だと思ったそうだ。でもふと、フーゾクやソープがあることに気づいた。「あそこだったら可能かもしれない」彼女はそう思った。しかし、不特定多数の男と関係を持つのは考えられない。だったら、アダルトビデオはどうだろう。相手はある程度選べるかもしれない。そうだ、アダルトビデオメーカーに行こう!!そう思った。そうして当社を訪れた彼女。札束をちらつかせると早速出演が決まり、撮影が始まった。