内容:由佳は退屈だった。高校を卒業してからアパレル系に就職し、そこそこ彼女なりに頑張って生活をしていた。仕事の売り上げを伸ばす努力も、自分磨きも頑張っていた。貯金だってそれなりにしっかりしているつもりだ。職場でも周りからの評判は良いもので、彼女のハキハキサバサバした性格もあって、年の割にはしっかりしているように見えるせいで信頼も厚いものだ。しかしここ最近、毎日同じ事の繰り返しで変化がないことに飽きてきた。由佳自身は現在の職場で目指すものが特に無いし、今の仕事を一時的なものと考えて将来の夢がある、なんていうこともない。しっかりしているように見えてもまだ20歳の娘である。勉強も遊びもまだまだ経験が足りない。今の状態にがんじがらめにされていると感じた途端に、何もできなくなってしまうのだ。変化がほしいのに変えられない。何をすればよいのかが分からない。なのにとても退屈で、そのストレスばかりが大きくなってゆく。ある日、職場の後輩から晩ご飯に誘われた。晩ご飯と言ってももう23時近く、由佳はなるべくならその時間に食事は摂りたくなかったのだが、断りきれずに手近なカフェに入った。そこで後輩から、「私、AVに出ちゃったんですよぉー」というカミングアウトをされた。「意外と報酬がよくってぇー、なんだか由佳さん元気ないみたいだったからぁ、気晴らしにどうかなって思ってー」由佳はこれだ!と思った。なんにせよこの退屈を打ち破るいいきっかけになるだろう。