内容:ゆりの初体験は少し遅めで、20歳になったばかりの大学二年の夏、サークルの飲み会で遅くなり終電を逃してしまい、近くに住んでいるという先輩の部屋に泊まらせてもらった時のことだった。その先輩は、普段サークルでは大人しいほうで、真面目で口数も少なく、服装にもあまり気を使っていないような、どちらかというと目立たない地味な人だった。彼は大学内で他に行く場所が無いのか、休み時間や突然の休講で時間が空いた時には決まってサークルの部室にいるのだが、誰かと話しているというわけでもなく、一人で小説や漫画雑誌なんかを読んでいるのをよく見かけた。 その頃のゆりは福岡の田舎から上京して二年目で、ようやく一人暮らしには慣れてきたものの、華やかな街中を遊び回るほどの勇気はまだ無く、又、一緒に遊ぶような友達もいなかった。サークルには入学したての頃に勧誘され、流されて参加してしまったものの、他に特にやりたいことがあるわけでも無く、知らない土地で一人というのが心細かったのも手伝ってそのまま何となく在籍していた。 二人は特別親しかったわけではないが、どちらも大人数で騒ぐのが苦手で、サークルのイベントや飲み会では仲間から外れて二人で話をしていることが多かった。しかし、校内ですれ違っても挨拶を交わす程度で、時間があるからといって立ち止まり話をしたりすることも無く、まして食事やデート等、二人でどこかに出掛けたりということは一度も無かった。異性として意識していない。少なくともゆりはそうだった。 その日の飲み会もいつもの如く、大騒ぎするサークルメンバーを横目に、二人でひっそりと飲んでいた。いつもはあまり飲まないゆりだが、大学が夏休みに入ったこともあり浮かれていたのか、その日は明らかにいつもより多くの酒を飲み、いつの間にか酔い潰れてしまった。どれくらいの時間が経ったのか、気が付くとサークルメンバーはもう誰もおらず、ゆりの隣で彼が一人でお茶をすすっていた。時計を見ると既に夜中の1時を回っており、終電はもう無い。普段外泊や夜遊びをしないゆりは、こういう時にどうすれば良いのか全くわからず焦ったが、すぐに隣の先輩の存在を思い出した。(自分の所為で先輩も帰れなくなったんじゃ……)不安になり聞いてみると、先輩の部屋はここから歩いて帰れる距離にあるという。厚かましいのは承知の上でお邪魔させてくれと頼むと、若干戸惑いの様子を見せたがすぐに了承してくれた。もちろん好きでもない男性の部屋に泊まることには多少抵抗はあったが、他に行くアテも無く、朝まで外で過ごす事を考えたら他に選択の余地は無い。 部屋に着くと、すぐに彼はベッドの横に一組の布団を用意してくれた。 ふと目が覚めると自分のすぐ後ろに人の気配がする。息を殺してはいるが明らかにその息づかいは荒い。慌てて振り返ろうとしたが、すぐに強い力で抱き締められ身動きがとれなくなった。そのうち、体に回されていた片方の腕が、服を捲くり上げて中に入ってこようとする。「先輩、やめてください……!」少し苛立ち語気を荒げて言ってみたが手の進行は止まらず、遂にはブラの上からゆりの豊かな胸を揉み始めた。「ちょっと!やめてください!!」必死で抵抗しようとするが、まだ酒が抜けきっていないのか上手く力が入らない。頭の芯に鈍い痛みが走る。そうこうしてるうちに彼の手はスカートの中にまで進入し、強引にゆりの下着をむしり取っていった。(恐い!気持ち悪い……!!)確かにゆりはそう感じていた。しかし、彼の指が自分の陰部に触れた時、彼女は自分のソレが滴る程に濡れてることを知り、絶望にも似た衝撃を受けた。その瞬間、彼女の体から、抵抗する一切の力が抜けていった……。