内容:普段は銀座の某デパートで、美容部員として働くゆう。33歳。見るからに地味な印象の彼女。趣味も読書と、その印象に更に拍車をかける。応募理由を聞くと「興味」とか「セックス好きだから」などと、ありきたりの答え。でも何でこんな地味なコが? その後、話を聞いていくうちに、そんな地味としかいいようがない印象の彼女の意外な過去が明らかになってきた。 彼女が育ったのは東北地方の港町。どこでも田舎というのは、そういうものだと思うのだが、町の噂話はその町の人全員が、共有しているといっても過言ではないという、かなり狭く閉鎖的な町。彼女が中学、高校と思春期を迎えたころ、その小さな町は彼女の噂で持ちきり。その噂というのは彼女がヤリ○ンというもの。そんな小さな町である、その噂が彼女の耳に入ってこないわけはなかった。そして噂は真実であった。 彼女が初体験を迎えたのは14歳。少し早めの年齢ではあるが、やる事が他にはない田舎町にとって、特に変わったことではなく、相手も1歳年上の彼氏と、ごく普通のことだった。その初体験の彼氏と付き合って3カ月目のこと、彼女のその後の人生を決定づける事件が起こってしまう。ある日、彼氏とその友達のT君と3人で彼氏の家で遊んでいた時のこと、夕方になり彼氏はいつもどおりバイトでいなくなってしまい、T君と2人きりに。これはいつものことで、彼氏のバイトが終わるまでこうして過ごすのが日課だった。当たり前のことだったので、彼氏も気にも留めず出て行った。他愛もないくだらない話を繰り返し、ただいつもどおり過ごしていたが、いきなりT君が後ろから抱きついてきた。最初は抵抗したが、無理やりキスされ、体を弄られているうちに抵抗する気も失せ、その後は流されるがままに……。 秘密にしていればバレないと思ったが、次の週にはその出来事はクラス中どころか、全校生徒が知る周知の事実。もちろん彼氏とは別れることに。そして、そのくらいから色んな男から「やらせて」と言い寄られるようになった。特に断る理由もなかったので、そのほとんどを受け入れた。3Pや4Pなんてこともザラ。相手には同級生や上級生だけでなく、一般人の大人もいた。そうすると噂が噂を呼び、高校生の頃にはとなり町の男とも寝るようになったいた。 高校を卒業後、大学進学のため上京してきた彼女だったが、その流されやすい性格は大学生、そして社会人になっても変わらなかった。サークル、バイト先、出会い系、同僚、上司、相手は様々。 そして今回の応募も、スカウトされて流されるがままについてきただけのようだ。最初は「なんで、こんな地味なコが?」と思ったが、この流れは必然だったようだ。「興味」や、「セックス好きだから」などと一言では語れない、彼女のバックグラウンドがそこにあった。